MBA受験の振り返り

ブログ再開後の一発目ということで、やはりMBA受験のまとめを書いておきたいと思います。

合格以来、いろいろな人に何度も聞かれて自分のMBA受験がどういうものだったかは書き貯めていたのですが、
せっかくなのでこれを機に公開したいと思います。

というのは、自分が受験をするときに一番苦労したのは情報集めでした。
周りにはMBAホルダーも受験者もいない中で、私費でMBA受験するのは情報戦という観点でかなりきついです。
そんな中、色々な人が受験記をネットで公開してくれていたのは本当に助かりました。ですので、少しでもこれが
誰かの役に立てばなと思います。(かなり自己流で乗り切ったので参考になるかどうかは微妙ですが。)

<総括>

【進学先】UC Berkeley Haas School of Business
【他の合格校/WL/辞退】なし
【不合格校】Harvard / Stanford / MIT (インタビュー無し)
【職歴】自動車メーカー 8年(海外営業企画/マーケティング/オペレーション)
【私費/派遣】私費
TOEFL】107 (R 29 L 28 S 23 W 27)
【GMAT】710 (V 39 M 48 IR 6 AWA 4.5)
【海外経験】大学3年次にアメリカへ交換留学(5ヶ月)、ブラジル駐在(14ヶ月)


<なぜ今MBAか?>
下記のいくつかの要素を総合的に考慮して判断しました:
▪️ 20年/30年後の日本を考えたときに感じる、漠然とした不安と自己投資の必要性 (社会)
▪️ 新興国(中南米)での駐在経験を経て、日本の製造業/サービス業の新興国での進出の遅れを痛感。
  グローバル展開の成熟期を迎えていた前職での経験を、他社/他産業にも生かして、日本企業を
  もっとグローバルにして行きたいと感じた。そして、その為に不足するソフトスキル(大組織のマメージメント/人脈)と
  ハードスキル(ファイナンス/アカウンティング)を補うためにMBAが最適と判断 (キャリア)
▪️ドメスティック企業でのキャリア進展スピードの遅さへの行き詰まり感 (会社)
▪️ 目の前に分かり易くかつ辛いチャレンジが無いと生きている気がしない性分 (性格)

そして何より、ビジネスアイデアを即座に実行に移せるEntrepreneurialなマインドセットとスキルを獲得すべく、
アントレ教育でのトップスクールに絞って受験。



MBA受験は情報戦だと思います。僕の場合は、2011年12月に初めてTOEFLを受けてから2年間かかりましたが、もっと情報集めに時間を割いて効率的にやれば1年でもできたのではないかと思っています。特に、受験校の選択と、合格者のプロファイルの分析などをやっておけば良かったなと後から痛感しました。また、エッセイ以外のほとんどのプロセスを独学でやりましたが、もう少しコストをかけて予備校などを活用しても良かったかなと思います。
 
<受験スケジュール>
2011年12月 TOEFL1回目受験。92点。
2012年5月 TOEFLのライティングの学校に通う(AGOS)。6月に103点獲得し、GMAT受験開始
2012年8月末 GMAT1回目。630点。
2012年9月末 GMAT 2回目。680点。目標未達だったもののカウンセラーに相談したところ、
プライオリティはTOEFLというコメントを受け、GMAT一旦終了。TOEFL勉強を再開。
2012年10月末 TOEFL107点獲得。目標未達も時間切れ。TOEFL終了。
2012年12月末 HarvardとColumbiaの2校に、2ndラウンドで出願。
2013年2月 両校から不合格通知受領。面接にも呼ばれず、地球上で一番凹む。
2013年2-4月 心の回復の為と、仕事の忙しさにかまけて、ここから3ヶ月くらいMBAのことを忘れる。
2013年5月 一念発起し、スクールビジット実施。Harvard、MIT、Columbia、StanfordHaasの5校をビジット。
      立ち直ってGMATを再開するやる気を出す。
2013年6月 GMAT三回目で710点獲得。GMAT終了
2013年8月 フルブライト奨学金出願。9月不合格通知受領。
2013年9月 Harvard 1stで再出願。12月に不合格
2014年1月 MIT、Stanford、Berkeleyの3校に2ndで出願。
2014年3月  Bekeleyから面接招待あり、東京で面接実施。3月中に合格通知受領。
      MITとStanfordは面接無しで不合格。受験終了


一回目の受験で92点と実力不足を実感し、地道に英語の基礎能力の向上を始め、結局、5ヶ月くらい地道な作業をしました。(CNNヒアリング/発音矯正レッスンなど)。振り返って考えると、ここでの時間ロスが一番もったいなかったと思います。TOEFLはあくまで試験と割り切って、試験への慣れとテンプレート対策に注力すれば、もう少し短期間で乗り切れたと思います。以下、各セクションでの対策状況をまとめます。


EconomistやNewsweekのリーディングを地道にやりました

とにかく耳の慣れの為に、家にいる間は常にCNNを流し続けるようにしました。単純ですが、一番効果があったと思います。

ご多分に漏れず苦労しました。家庭教師をつけて発音矯正をやったり色々と工夫しましたが、
最終的にはテンプレートを固めて、23点で安定させるように努めました。

こちらも地道に学習をしていたものの、あまり効果を実感できずAGOSの講座をとりました。
テンプレートでかなりすっきり整理ができ、安定して点数が出るようになりました。(初めから行っておけばよかったと思う。)

教材は、Official Guideを使いました。あとは、自分で各セクションの特徴や過去に間違った問題のまとめを
作成して、それを繰り返し覚えるようにしました。下記に点数推移を載せておきます。



TOEFLと比べて、相性のいい試験だったので、独学でやりました。
まずは、AGOSのGMAT完全攻略という市販の本を読んで、そのあとはひたすらOfficial Guideを解き続けました。
その中で、自分の間違えるパターンを記録していき、間違えやすい部分を潰していきました。
あとは、途中で間を空けてしまったので、思い出すのに苦労しました。一息にやることをお勧めします。




個人的には受験の中で一番苦労しました。特に「自分自身を見つめなおして語る」ということに対して、
苦手意識があり素直にやりたいことや自分自身について表現するというところが難しかった。特に、
STANFORDの名物エッセイ「What matters to you most? Why?」に取り組んでいるときは本当に頭が
おかしくなりそうでした。

内容については細かく書きませんが、一つ言えるとすると、日本人受験生にとってTOP校合格のためには
能力と実績とフィットのあるカウンセラーを選ぶことが何よりも大事だと思います。個人的にはAGOSのカウンセラーを頼りましたが、
人間として本当に信頼の出来るカウンセラーでかつプロとしても完璧で、彼女が居なければ合格はなかっただろうなと素直に思います。

ネット上では、「あのひとはいい、あのひとはダメ」といった評判が飛び交っていますが、
そういった評判は気にせず、一度セッションを持って、カウンセラーとのフィットがあるかどうかを判断するのがいいと思います。



School Visitは個人的には絶対にやるべきだと思います。
ネットの情報だけではわからない本当の学校の雰囲気がクラスビジットやアドミッションとの会話の中で見えてきます。
個人的には、あまり期待をしていなかった学校に非常に魅力を感じたり、逆に凄く行きたいと思っていた学校が
全然魅力的ではなく、結局、出願しなかったり、、、と出願戦略を考える上で一番重要なファクターになりました。
最終的には、アントレ教育で群を抜いているMIT/Berkeley Haasと、総合力が圧倒的なHarvard/Stanfordの計4校へ出願しました。


<インタビュー>
私の場合はインタビュー準備はほとんどせず、自然体で臨みました。
エッセイの作り込みの過程で何度も何度も反芻してきた言葉なので、特別な準備はせずに、今まで考えてきたことを
正直に答えました。逆に、これまで準備していなかったことも正直に「わかりません」と答えました。
結果としてはそれが良かったのではないかと思います。Haasは、Alumni Inteviewを東京のカフェで行いました。

<資金>
受かってもいないことに時間と精神を使うのは不毛だと感じたので、フルブライトに落選した時点で、資金繰りついては一旦忘れることにしました。私費受験者にとって、大変であることは間違いないですが、受かってから考えるべきだと思います。


<最後に>
公開する内容なので、かなり表面的な部分が多いです。もし具体的にご質問等あればコメントをいただければ個別に対応します。
MBA受験/留学はものすごい労力と機会コストがかかります。周りに相談してもネガティブだったり理解されなかったりすることもあります。ただ悩むようであればまずはトライしてみてはと思います。受験は孤独だと思いますが、自分もまとめサイトやいろいろな方のブログなどに励まされて頑張れました。ほんの少しでも今後の受験生の参考になればと思います。