人生最後の夏休み


さて、またまた更新が滞っていました。気づいたら3ヶ月。この3ヶ月、いろいろなことがありすぎて3年ぐらいに感じてますが、備忘も含めてまとめ。タイムリーにインターンのことを書きたいですが、1年目のMBA授業のまとめもできてないので、どちらも。



5月: MBA1年目終了からのIBD

1年目最後のセメスターは、「Strategic management」「Ethics」「Entrepreneurship」「IBD」の4つの授業でした。Strategyはこれまでの必修科目の集大成みたいな感じで、Marketing、Finance、Accounting、Macro/Microで学んだことをいかしつつ、基本は全てケースメソッドで、その会社の戦略を数枚にまとめて、で授業でディスカッションという形式。Ethicsはなかなか面白かった。あまり「とりあえず人様に見られて恥ずかしく無いように」というある意味難しそうだけど簡単な倫理規範の日本と違い、こちらではIntegrity (高潔さ)というのは立派なビジネススキルとしてみなされます。特に、プレッシャーのかかる、役割に就く可能性が高いMBA生にとって、そのプレッシャーの中で、1.何を正しいと考えるか、2.正しい判断をすることができるか、というのを過去の事例(ベタにエンロンとか)を使って、考えていくという授業。久々に日本で大企業の粉飾決算が話題になっていますが、ああいうのが起こるメカニズムとか実際に担当者のロールプレイをしながら、上からプレッシャーかけられたときの対応方法とかを考えました。


そして、IBD。International Business Developmentという授業で、これは海外の企業に実際にお金をもらってコンサルティングをする授業です。(お金は学校に入るだけですが。)そして、5ヶ月間毎週その会社とコミュニケーションしながら準備をして、5月の2週目から3週間、現地入りして、リサーチや議論を通じて、経営戦略の提案をして帰ってくるという授業です。僕は、Spain MadridのOzoneDriveという小さなスタートアップを割り当てられました。この会社は、地中海の島で、電気自動車のシェアリングを普及させようとしていて、そのためのファンドレイジングの戦略というのがお題でした。

チーム編成は学校側が問答無用で学生を4人のチームに振り分けるのですが、僕のチームのメンバーのバックグラウンドは、会計系コンサル、再生エネルギー、テックのファイナンス、自動車(自分)というなんともいい感じのバランスでした。ていうか、やっぱり自動車のプロジェクトを割り振られてしまうあたりしゃーねーなという感じではありましたが。やはり3週間もいると、考え方の違いとかプライオリティの違いとかで、色々と苦労しました。


6−8月:インターン

ということで、結局、インターンは米国でやりました。自動車関係のインターンをしたのですが、業種としては、オンラインで中古車を販売するE-Commercef業界ということになります。日本でもオンライン販売ってあるんじゃないの?という感じるかもしれませんが、そういったレベルではなく、アマゾン並みに、ボタン幾つか押すと面倒な手続きも全部終わった車が家の前に到着するというなかなか面白いサービスです。まだ未成熟市場ですが、この会社は1年で売り上げを20倍にしていて、すでに業界最大手になっています。(Used car onlineとかで検索すると出てくると思います。)

この会社を選んだ理由は、
① まじで世界を変えようと思っている
② まじで数十兆円市場を変えるポテンシャルがある
③ 自分の経験を直にいかせる

ということで、最終的に決めました。また、どっかでまとめて書こうと思いますが、AirBnBが数年で世界中のホテルの合計よりも多い部屋数を獲得するに至ったのと同様に、超セグメンテッドな中古車市場はものすごいポテンシャルがあると思います。

世界の自動車メーカーも、技術面での努力はすごいものがあると思いますが、販売の仕方については、数十年、イノベーションが起きていません。そして、次の10年で車の売り方はきっと劇的に変わると思います。自動車の製造がモジュール化され、品質が均一化し、ソフトウェアのアップデートがネットで行われる時代が来れば(すでに一部来ていますが)、販売をDLRでする必要は全くなくなります。よく、「テストドライブしないと売れない」といいますが、整備のプロがテストドライブしてくれた車を家に届けてもらう方がよっぽど安心です。走りのテイストが云々とか言う一部の人にだけテストドライブセンターを作ればいいだけです。(自動車に占める、ディーラーや販売部門のコストをずっと前の会社で見ていたので、、、)

すでに、San Franciscoには4-5社、SeattleやNew Yorkにもそれぞれ何社か車のオンライン販売のプラットフォームが立ち上がっていますので、これからの勝負は次の1-2年でどの会社がデファクトスタンダードを作るかですが、おそらくスピード感や経営者のスキル、資金量、どれをとっても今働いている会社がそのポジションを握ると思います。

もの凄いハードワーキングカルチャーの会社なので、朝来ると、オフィスに死体(寝ている人たち)が沢山転がっていますし、平気で20時間働ける人たちなので心身共にかなりくたびれますが、それでもインターンの自分にビジネスモデルの提案から実行まで全て任せてくれる懐の深さがある会社です。ちなみに設立1年ちょいですが、次のラウンドで評価額が20億ドルに届くのではないかといのが最近の報道ベースです。

結果を出すことに対するプレッシャー、決断の早さ(数秒)、カスタマーケアに対するクレイジーなまでのこだわり。めちゃくちゃきつい3ヶ月でしたが、もの凄い経験を出来たと思います。


(最終日にケーキを用意してもらいました。残念ながらスペルが違いますが・・・。)