卒業、失業、新年、からの転職

2016年、結局ブログを書かずに終わってしまいました。おそらく、人生の中で最も密度の濃い一年だったんではないかと思います。ちょっとまとまった時間ができたので、昨年全然アウトプットすることができなかったことの反省も踏まえ、ここで軽く振り返ろうと思います。


1月 MBAの冬休みを利用して、一年半ぶりに日本帰国、からのタイ、ベトナムラオスカンボジアのトリップ。東南アジアは10年以上前にタイに行ったっきりだったので、そこからのめざましい発展に驚かされました。と同時に、タイ=>ベトナム=>カンボジア=>ラオスの順にグラデーションのようにかわる経済発展度合いを見ていると、2週間の間、徐々にタイムスリップしているような感覚に陥りました。断然好きだったのは、ラオスルアンパバーン。聖域のような街。


2月-4月 MBAの最後のセメスター。ここでは、卒業後にスタートアップで働き始めることを考え、あと今まで避けてきたFinance系の重めの授業をとりました。
New Venture Finance - ベンチャー企業のファンドレイジングやファイナンシングをケースを通じてディスカッションする授業。VCからのタームシートの評価やファイナンシングのオプションの評価など、かなり実地的な授業でした。あとは、セコイアなどの大手VCからのゲストスピーカーが豪華でした。

Corporate FInance - The MBAという感じの、ひたすらファイナンスのケースを解き続ける授業。毎週1本重めのケースにチームで取り組み、ProposalをWriteupにまとめて提出するというサイクルです。在庫の持ち方、リース、負債など、大企業がかかえる様々なファイナンシングニーズをケースを通じて議論していきます。

Designing Web Based Product - こちらは打って変わって、Web Serviceを実際に作ってしまおうという授業。まず授業の前半でクラス60人全員がピッチを行い、そこから投票で徐々にアイデアを絞っていき、最後の10くらいのアイデアを元に、チームを作って実際にWorking Prototypeを作っていく授業です。自分は、「人工頭脳を活用した、ギフトのSuggestion」を行う Giftedというサービスのピッチを行い、うまく最後まで勝ち抜いたため、このアイデアで5人のチームを作ってサービスのプロトタイプ作成を行いました。めちゃくちゃHands-onの授業なので、Squarespae.comでウェブサイトを作ったり、A/Bテスティングをしたり、アクセス解析をしたりと、Webベースの事業を立ち上げる時に必要なスキルを一通り身につけることができる良い授業でした。eCommerceで働く前だったので色々と学ぶことが多かった。

3月 - 春休みを利用してイスラエルへ。おそらくこの2年間の中でもっとも刺激のあった旅行。現地のスタートアップや政治家と話したり、シリアとの国境に足を伸ばしたり、聖地エルサレムの地下道を歩いたり、、、この国の3000年以上の歴史と近年のスタートアップの盛り上がりを感じることができました。テルアビブは今後住んでみたい場所の上位にランクします。



5月 - 卒業式、からのヨーロッパロードトリップ。3週間かけて、オランダ、ベルギー、フランス、イタリア、クロアチアサンマリノ、を走り抜けました。MBA中のルームメイトのイタリア人、現在のルームメイトのインド人、そしてトヨタの同期のノングチャングが途中から参加し、凸凹カルテットでの旅行は超楽しかった。特に、イタリアは色々な都市をめぐり、食文化の多様性、食文化の深さ、食文化の洗練性に触れました。(食ってばっかかい。) それもあり、一番印象に残ったのはミラノの「モツァレラバー」のあるレストラン。自分の好きなモツァレァチーズとトマトを選び、カプレーゼを作るのですが、これが絶品中の絶品。アメリカにいると舌バカになりがちなので、いいリハビリになりました。


6月-12月 - さてここからが怒涛のスタートアップライフ。Beepiという中古車をオンラインで取引するサービスを運営する会社でOperations Managerとして働き始めました。8人のチームのマネージャーという立場で、全米14箇所の拠点間の物流網の構築、在庫管理、フィールドオペレーションの改善、フィールドマネージメントシステムの導入、そして新しいプロダクトのローンチなどを行いました。本気で世界中の自動車販売業界をぶっ壊すという夢のもとに集まった人たちが、「100% or Nothing」という合言葉のもとに、強烈に働く会社でした。アメリカ人が働かないというのは嘘です。シリコンバレーのStartupに限って言えば、めちゃくちゃ働きます。その中でもBeepiのようにオペレーションヘビーの会社では、なおのこと。自分もほぼ週7日稼動で死ぬ気でした。

忙しい理由は、1) チームのマネージメント、2)自分のプロジェクトの進行、を同時に行うプレーイングマネージャーだったところが大きいです。特に、1)については、毎月数十%で成長する会社なので、デイリーオペレーションが毎日のように破綻するため、それを若い子達に指示を出しながら必死で食い止めるのにまずは日中のほとんどの時間を使っていました。そして、2)については、とにかくサイクルが早い。昔トヨタで1年以上かけていたレベルのプロジェクトが1ヶ月くらいで回っていくイメージです。僕が手がけた新しいサービスもほとんど自分でエンジニアと話しながら、プロダクトが出来上がり次第、最短の日程でローンチしていく。当然、紙なんて一切かかない。






何もかもがうまくいっていると思っていた、12月某日、シリーズCのファンドレイズの最中、資金調達にめどがつかず、あえなく会社をシャットダウンすることになってしまいました。
https://techcrunch.com/2016/12/07/used-car-marketplace-beepi-shuts-down-outside-of-ca-merges-with-stealth-fair-com/

ビジネスの内容や、失敗の分析などは、ここでは省略しますが、結論からいうと、自分のチームを全員レイオフし、自分も会社を去ることに。自分自身は在庫管理をしていたこともあり、数週間前から厳しいなとは思っていましたが、多くの社員にとっては、晴天の霹靂でした。チームメンバーを一人一人個室に呼んで、パソコンと電話を没収して、その場で帰宅してもらう。映画のようなシーン。急成長から最後の処理まで、たった半年でしたが本当に3年分くらいの量の仕事と経験を得ることができ、結果はついてきませんでしたが最高の経験をしたと思います。

今は幸運と縁に恵まれ、次のスタートアップでBusiness Development Managerとしてまた働き始めていますが、このあたりの顛末はまた、次回にまとめたいと思います。


長文でしたが、記録として。