Work is dignity、仕事は尊厳


(6月から借りる新居からの景色。ベイエリアが一望できます。)

さて、ようやくいろいろな事が明確になってきたので更新したいと思います。以前のポストでも書きましたが、色々と紆余曲折を経て、夏はベイエリアに残ってインターンを行うことにしました。簡単に仕事について振り返り。


まずは、出国前から昨年の冬までは、ひとしきり、日本のコンサル、投資銀行、テック企業の就活戦線に顔をだしてみました。基本的な行動指針は、
(1) なんか面白いことあるかな?
(2) とりあえず、 MBA借金を早めに返したい
(3) 優秀な人と働きたい
(4) MBAとるし、それっぽいところに就職したいな


というもので、最初から、「え、いまさらこんなんでいいんだっけ?」という違和感を感じながらも、まぁいいかと思って時間を使っていました。ところが、こちらにきて、


① 大抵の会社と比べて前の会社の方が社会的意義もやりがいも大きい (洗脳は未だ解けず)
② お金は不安だけどなんとかなる(アメリカ人は借金に対して能天気なので毒される)
③ まぁなんだかんだ、英語でも戦えるような気がしてきた (ギリ気のせい)
④ 今更、ここまできてGoogleだのAppleだのビッグネーム追いかける意味は全く無い (チラ見はするけど)


ということがわかり始め、もともと考えていた基準が、


(1) とにかく自分がワクワクしないことはしない
(2) お金は生きていけるだけまずは稼ぐ
(3) 優秀な人と言語能力も含めてガチンコ勝負してみたい
(4) いまさら人の目気にするのは馬鹿らしい


というふうな感じに変わってきました。MBAにきて一番の収穫は(1)が明確になったことかもしれないです。(2)は(1)が決まると割と簡単な判断でした。(3)はまだまだ迷いもあるけど、簡単に言うと、「アメリカで戦えるか?」というところにつきる。これは正直めちゃめちゃ厳しくって、30社受けて、やっとこさ1社からオファーがもらえましたという程度。日本で日本語で仕事するのに比べて、戦闘能力が4分の1くらいになるイメージです。まぢで小学生になった気分。今まで海外営業やってたし英語でビジネス出来てるぜ俺、的な感じを少しでも思っていたことが恥ずかしくなります。会社の後ろ盾が無いと、ただの色黒のジャップでした。


ただ、一方で、自分の強みを上手く売り込んで、そこにパッションも乗ると、言語のハンデはかなり小さくしていけるということもなんとなく肌で感じてきました。(4)も、結局、(1)が明確であれば簡単なこと。(でも、実はこの(4)が簡単そうに見えて一番くせものだったりする)。そして、結局、自分の中で、(1)と(3)の源泉は同じだなという風にも感じるわけです。ワクワクするという気持ちの中に、「ものすごい不利な状況に置かれている」というのは自分にとって大事なんですよね。今までブラジルで仕事してたときも、学生の頃に模擬裁判(=法廷の格闘技)でクソ労力使っていたときも、結局、燃(萌)えた理由は、リソーセスの無いUnderdogになったところで出るアドレナリンにドライブされていたわけで。


ということで前置きが長くなったのですが、夏はSilicon ValleyのStartupで働くことになりました。設立1年の会社ですが、すでに$80MMを調達し、今年中に全米展開を予定しています。サービスや仕事の内容はまたおいおい。結局、自動車関係ではあるのですが、自動車市場のランドスケープを変えるポテンシャルを持った会社だなと感じることができ、かつ自分の経験もばっちり生かせるので、上手くはまった形です。といっても、この会社もMBAの採用をしていたわけではないので、プレゼン作って、プロジェクト売り込みにいってと、かなりハッスルしましたが。(あと、Haasの日本人の先輩にもつないでもらったりお世話になりました。)あとは、プロジェクト売り込む時に、元コンサル/自動車関係の同級生にめちゃめちゃお世話になりました。彼とのブレストとかがなかったらいいプレゼン出来てなかったと思うので超感謝。


冒頭の言葉は、2年くらい前に読んだ、「How Starbucks saved my life」という本の中で、大会社のエクゼクティブからスターバックスバリスタに転身したMichael Gillの言葉。結局彼にとっては、スタバでの仕事の方がよっぽどDignityを感じることができたというお話。彼自身の経歴はどうあれ、この言葉は忘れちゃいかんなと思うわけです。



Work is dignity、仕事は尊厳。



いうのは簡単だけど、実行するのは難しい。今年32歳になるわけなんですが、第二のプロとしての人生を送るに当たって、忘れちゃいかんなと日々思うわけです。