秋学期(=MBA生活25%) 終了からのタンザニア

さて、MBAの1年目の半分が終了しました。全然書けてませんでしたが、近況アップデート。

学校の方はというと、相変わらず省エネでなんとかやっています。今学期は、Marketing Management, Finance, Accounting, それとProblem Finding Problem Solving (PFPS)という最近はやりのDesign Thinkingの授業でした。


個人的にはFinanceは楽しかったです。今までのキャリアであまり使わなかった分野ですが、だいたい毎週ケースで企業のバリュエーションをやったり投資のポートフォリオを作ったり、基礎的な内容ながらも今まで触れてこなかった分野なので結構アドレナリンが出ました。エクセルとの格闘なので結構苦労しましたが。

Accountingは、簿記を自分でやっていたのと、前職でモデル別の原価評価とかは回していたので、それほど真新しいことは無かったです。


Marketingは、前職でブランド戦略とかローンチプランとかはやっていたので、馴染みはありましたが、授業で習ったことは無かったので新鮮でした。特に可もなく不可もなくという授業でしたが周りの同級生たちは結構文句いってましたね。Marketingは答えが無いので、こういう導入的な授業で、発売準備とかチャネル戦略とかブランディングとかの泥臭い部分に入るのはなかなか難しいだろうなーとはたから見ながら感じました。

そして、そういうのを聞きながら思ったのは、やっぱりマーケティングって授業でやるようなこっちゃないなと感じました。やるなら①超実践的に特定の商品の発準ケースをやるか、②データ分析に絞るか、をしないとなかなかtangibleな学びってないんじゃないかなと思いました。

①はやっぱり場数を増やすという意味では重要かなと。例えば、授業の中でTATAのインドでのNANOの発準シナリオについてのケースを扱いましたが、どんぴしゃ自分が担当していたブラジルでのポピュラーカー発準に近いものでなんとなくボトルネックとかオポチュニティが思い浮かびました。実践を重ねていろいろなシチュエーションを経験するというのが一番いいんだろうなと思いました。

②は自分に足りていないので是非来年やりたいと思っていますが、Marketingをより科学的にやるというところ。ある程度、Qualitative/Quantitativeな調査とかはこれまでも見てきましたが、最近のテックのmarketingって、どういう人が、どの時間帯に、どこで、何をクリックして購入したかどうか、といった莫大なデータを持っているので、マーケティング戦略というかもはや確率統計に近い世界で、予算の配分とかメディアの選択をしてるんだなというのがいろいろな人と話して感じているところ。誰かが「これから、Marketingの仕事をしたいんだったら、Data Scienceの勉強しなさい」といってたけどまさにそんな感じ。


この話にも関わるのですが、課外活動では少しMarketing分野で、知り合いに紹介してもらったある会社と面白そうなプロジェクトを始めつつあります。まだまだとっかかったところですが、目に見える形で成果が出ればなと期待しています。夏のインターンについては、前のポストでも書いたように、あまりドキドキしないものは辞退しました。保証が無いのでめちゃくちゃ不安なのですが、まぁこんなタイミングで守りに入っても仕方がないので、楽しそうな方にふらふらとすり寄って行こうと思っています。


最後に遊びの話。Thanks Giving休暇は、クラスメートとPortlandまでRoad Tripしました。結論、Portlandめちゃいいところ。なんか、Seattleの綺麗で落ち着いた雰囲気と、San Franciscoの尖った感じの間にあるような感じで、最近、全米で住みたい場所の上位に入っている理由がわかる感じでした。

(Portland Art Museumの前で)


そして、冬休みはタンザニアに2週間いきます!明日から。。。めためた楽しみです。Safariもさることながら、Zanzibarのビーチリゾートがすごそう。アフリカってあまりビーチのイメージないですが、ここは世界で最も美しい海の一つと言われているそうです。今年は、5月に波照間/石垣に行って以来、全然海にいけてなかったので、ダイビング禁断症状が出始めていたところなので、ちょうどよかった。張り切って潜りまくってきます。

リスクを取るということ

ということで、先週は3日間、ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)に参加してきました。
ご存知の方もたくさんいると思いますが、ボストンキャリアフォーラムというのは、英語・日本語の話せる学生を対象としたルクルーティングイベントで、1万人の学生と200社が参加する巨大なイベントです。MBA生も2年生はフルタイムジョブ、1年生は夏のインターンのオファーを取るためにここで頑張るのです。

。。。。。


結果としては、色々な発見があって、参加してよかったなと。まず大きな発見としては、やはり向いてねーと。スーツ着て、就活するというのは基本的に合わないんだなということを今更ながら再確認。そして、2日目くらいからは場違い感が半端無くて、その分だけ何をしにここに居るんだろうということにきたのだろうと色々考えながら、若干落ち込みつつ、このタイミングで初心に戻れる機会があったことをありがたく感じました。


閑話休題
今日は、シリコンバレーでモノ作りベンチャーをやっている日本のスタートアップと話をする機会がありました。ひょんなことから、この会社の立ち上げメンバーとは古い知り合いだったので友達との再会という形で時間をもらいました。少ないメンバーですが、夢に向かって真剣に世界をよくしようと思っている人達と話をするのはやはり楽しい。話を聞けば聞くほど、胸の高まりが止まらない。なんとか力になれないかと色々と考えてしまいました。

なぜボスキャリで落ち込んだんだろう、と考えた時に、やっぱり好きな事に向かって遠回りしているというのが本能的にあったのだろうなと。次のキャリアを考えるときに、場所とかサラリーとかポジションとか考えてしまうことは事実なのですが、結局はドキドキしないことはやりたくないんですよね。そして、何にドキドキするのかって考えた時にやっぱり条件があって、1.日本の素晴らしいモノ・サービスを売りつける、2. 新興国とかシリコンバレーで見られるギラギラした急成長感、という2つが自分の中で大きいことなのかなと思いました。そして、この1と2を人の作ったプラットフォームでやるのではなくて、自分で産み出せれば最高だなと。


2010年の元旦の日経新聞の社説を今でも覚えています。確かその記事は、1949年までに生まれたベイビーブーマーが60歳を迎えるということについてのこと。そこでは、今の60代の人たちは国に払った税金と国から受け取る健康保険や年金のメリットを比較すると+4,000万円。一方、今の20代(当時は20代でした)は、その数字が-2,000万円だそうです。(データは精査していないけど、感覚的にはなんとなくぴったりくる数字な気がします。)こういう視点で考えた時に、2,000万円を国に払うというのも一つの立派な決断だとは思うけど、MBAに2,000万投資するのも悪くないなと思いました。よく、MBAに私費で来たことに対して、リスク取りましたねー、というコメントをもらうことがあります。この文脈では、リスクというのは資金のことを指すことが多いのですが、前述のような視点でものごと考えると、どちらがリスク取ったのかってわからなくなります。自分としては、特に「リスクをとった」なんて思ってないんです。ただ、少なくとも言えるのは、受け身でどうなるかを見守るのではなく、自分で決めたということについてはもの凄く満足はできています。


結局何がいいたいかというと、ぐちゃぐちゃ言わず、本能に従ってドキドキする好きなことをやるしか無いというのが単純極まりない結論なんですよね。簡単そうに見えて、これがなかなか大変。なんだかんだ理由を付けて早めにかつ楽に結論だせる方に流れようとする自分がいるのですが、そういう自分を垣間見て、うげ、って思う機会を与えてくれたイベントでした。この後に及んでは、ベタな引用ですがSteve Jobsが言ってたみたいに、他人の価値観や考えに無駄な時間を使うほど人生は長くねーんだよ、ということを思い出し、ドキドキしないことはもうしないと選手宣誓した上で、グデグデに酒飲んでもう眠いので寝ます。

秋学期前期 総括

あっと言う間に、20ヶ月分の2ヶ月が過ぎました。そして、その間に、先週でFall Aという秋学期が終了しました。

先達曰く、「秋学期は、勉強、ネットワーキング、就活のトリプルピークが重なる」とはよくいったもので、なかなか序盤は寝れない日々が多かったです。終盤はだんだんなれてきて、アメリカドラマとかをちょこちょこ見る時間も出てきました。

先学期は、ばちばちの数学学期で、Micro Economics (ミクロ経済と経営)、Data and Decisions (統計と意思決定)、Leading People (組織論)、Leading Communicationという授業でした。数学に苦手意識は無かったですが、法学部出身の自分にとって、ミクロ経済と統計はなかなか新鮮で面白かったと同時に少し苦労しました。上手くカリキュラムが組まれているなーと思うのは、統計学でサンプリング手法の話しをしたと思ったら、組織論では組織変革に向けた試行とデータサンプリングのプロジェクトをやったりと、一見関係のなさそうな授業が有機的に絡み合っていて、さすがは高い授業料のだけあって考えているなという感じはしました。また、経済学も統計学も全て、ビジネス課題と紐付いた形でのレクチャーになっているため、学部時代にそれらの科目を履修した周りのアメリカ人の学生も「学部と全然違うね」という感触(あたりまえですが。)


ケースはというと、ちゃんと調べてませんが体感でだいたい授業の30%くらいがケースですかね。経済学については、毎週ケースあり、全てのケースに事前のレポート提出が要求され、さらにそれを5人で構成されているStudy Team単位で提出しなさいということだったので、内容以上に、チームでの合意形成と共同作業にかなり時間を取られました。ただ、めちゃくちゃいいチームに恵まれみんな高いコミットメントがあり、その点はラッキーだったと思います。構成は、人種的にはアジア系アメリカ人(女性)、ワスプアメリカ人(男性)、アフリカンアメリカ人(女性)、コロンビア人(男性)、ブラジル系日本人(自分)という構成で、バックグランドとしては金融1、コンサル3 (会計系2、戦略系1)、メーカー1という形で、非常にダイバーシティに配慮された布陣でした。

ちなみに、UC BerkeleyのHaasビジネススクールは、一学年240人という北米のスクールの中ではかなり少ない部類ですが、その中でもInternationalが43%、女性比率も43%とどちらも高い部類に入るとおもわれます。(女性比率を出したのは、テック企業や事業会社の取締役の中での女性比率向上というのがこちらでも話題/課題になっているからです。) ですので、5人のスタディーチームを組むと、二人がInternational、二人は女性、インダストリーも金融/コンサル/その他(製造業/ノンプロフィットなど)に分かれているなど、本当に上手く考えているなーと思います。
まぁ、あまり勉強がりがりしても意味ないので、落ちこぼれない程度に秋学期後半も泣きながら頑張ろうと思っています。

その他の組織論についても、チームでのプロジェクトが多かったので中々大変でした。コミュニケーションは少人数グループで毎週お題に合わせてPublic Speakingをするというもので、これも慣れないので結構苦労しました。特に、やはりアメリカ人は上手で、自分のスピーチに毎回「アイコンタクトが下手」「姿勢が悪い」「声の調子の使い方がよくない」などなど徹底的にダメ出しされるので、結構むかつきます。でも、このクラスは好きでした。人前で話すのは特に得意とも苦手とも感じていなかったのですが、いかにこれまで体系立てて練習してこなかったんだなと身にしみて感じました。といっても授業が終わったので上達させる機会がないので、BerkeleyのToastMasters (世界中にある英語のPublic Speakingサークル)に入って、引き続きPublic Speakingは個人的に上達させたいなと思っています。


さて、就活についてですが、巷では来年の夏のインターン先がそろそろ決まる頃です。こちらにくる前はいわゆるMBAホルダーの伝統的な業種を主軸においていましたが、やはりここにいると同級生がどんどん会社を始めただの売っただの言っていて、迷いは生じています。こちらの企業ともいくつか話をさせてもらっていますが、もう少し頭が固まった段階でまた、触れたいと思います。


ネットワーキングの方はというとFacebookに遊びの写真ばっか載せててすいませんという感じですが、最近はパーティー的なものは大体断るようになってきました。というのは、やはりパーティーで一気飲みしても中々深い会話はできないので(そりゃそうか)。なんかビール樽から何秒連続で飲めるかとか、ウィスキーボトルで一気飲みしたりとか、30代らしからぬ飲み方はもう卒業して、どちらかというとルームメイトとともに、数人を家に呼んで小さなディナーで興味ある話題について話すという形に最近は落ち着きつつあります。(一気飲み系も好きなんですがね。)

シリコンバレー企業訪問

先週はシリコンバレーに足を伸ばして色々な会社を訪問する機会がありました。

NewCoというイベントで、シリコンバレーの大企業からスタートアップまで様々な会社が参加しています。
内容としては、それぞれの企業が参加者(主に学生と投資家)に対して会社概要/戦略をプレゼンし、その後に簡単なネットワーキングを行うというもの。参加企業はこちら↓
http://sv.newco.co/

僕の場合は、申し込みが遅かったため、行きたかったテスラのオフィス訪問は逃しましたが、
それでも十分に堪能できました。以下、備忘のため、簡単にまとめます。

Survey Monkey
https://jp.surveymonkey.com/
1社目に訪問したのはSurvey Monkey.言わずと知れたOnline SurveyをFreemiumモデルで行っている会社です。
質問数10まで/回答数1000件までの利用は無料、それ以上のプロフェッショナル利用は有料というモデル。
また、有料会員にはデータ分析などのオプションもあり。1999年に設立され、Freemium / Saasの老舗という感あり。

気づきとしては、Servey Monkeyは単なるアンケートサービス会社なだけではなく、1日に200万件以上も入ってくるアンケートを活用したビッグデータを活用した顧客分析や回答分析が行われており、アンケートの趣旨や目的に合わせ最適化を行う技術が強みとのこと。

Mightybell
一方、次は本当に小さなスタートアップ。Professional NetworkのSNSサービスを提供するMightybell。
自営業者、教師など特定の職種に絞ったネットワーキングツールで、Facebook/Linkedinなど大きくてオープンなネットワークで補えないニッチなコミュニティを取り込んでいるとのこと。参加したもののあまり興味がある業種ではなかったのでふんふんと聞いていました。

EatClub
https://www.myeatclub.com/
3社目はEatClub。こちらは最近、シリコンバレー/サンフランシスコでブームになっているFoodTech企業の一つ。
ビジネスモデルとしては、簡単に言うと、提携レストランで調理したランチボックスをクライアント企業のオフィスに届けるといういたってシンプルなもの。ただし、そこはTechというだけあり、午前中にアプリでとった注文を早く正確に届ける技術には目を見張るものがありました。ビジネスモデルとしては日本でいう「ゴチくる」に近いかなーと思いましたが、法人に絞っている点とオーダリングをモバイルメインに据えているところが違うところ。

EatClubについては、ご馳走になった昼食もさることながら、Co-Founder兼CEOのRodrigo氏のプレゼンが非常に良かった。プレゼンの内容は「Tips to bootstrap your business (ビジネスを自力で立ち上げるためのアドバイス)」というもの。Rodrigo氏はStanford GSB卒業と同時に初めての事業としてEatClubを立ち上げており、当然、資金もなければFinanceも受けれるような状況になく、ただただアイデアがあるだけという状況からの事業スタート。1度目の起業家の多くが直面するこういった厳しい状況の中で、いかに生き抜いたかを実感を持って語ってくれました。当たり前に聞こえる事もありますが、まとめるとこんな感じ:

(1) Pick Co-founder carefully (共同創業者を慎重に選ぶ)
Bootstrappingにおいては、人にはお金をかけられないため、ほとんどのことは自分でやる必要があります。その際にやはり全くバックグランドの違うCo-Founderが必要。(ちなみにRodrigo氏の場合は、同じStanford GSB出身の科学者がCo-Founderだったとのこと。)

(2) Watch money like a hawk (金はシビアに管理)
これも当たり前に聞こえるが、彼のストーリーがすごい。Rodrigo氏は卒業の1週間前に就職先も資金もなく、むしろ学生ローンで借金まみれの状況でなんとか事業化できないかを検討。まずはStanfordに学生ローンを貸してもらえるように交渉に行ったそうですが、当然、卒業1週間前に「学生ローンを追加で貸してください」といっても「はぁ?」という対応だったそうですが、そこは彼の話術と西海岸の寛容さでなんと$5,000ドルの資金を調達。(Co-Founderと合わせて$10,000)。これを元手にビジネスを開始。とにかくビジネスに資本を集中させるために、Expenseを節約。学校に借りていたオフィススペースを追い出され、卒業後も寮に住み続けていたのも追い出され、最終的には知り合いのオフィスの倉庫の隅っこにテーブルを置かせてもらうなど、とにかく徹底ぶりがすごい。そんな彼がいうには一番きつかったのはやはり人件費。オペレーションが大きくなるにつれ回りきらなくなり、オペレーションマネージャーを雇ったところ数ヶ月で資金が枯渇しかけたとのこと。やはり、この規模のスタートアップにとって人件費は最も頭の痛いところ。いかにタダ働きをしてくれる人を見つけるかというのも大切なポイント。

(3) Avoid outsourcing jobs you can do yourself (自分でできることは全部自分でやる)
とにかく、Bootstrappingフェーズではすべてのことを自分でやってみること。Rodrigo氏は容器の調達から配達まで全部を自分でやった経験あり。これが大事な理由としては、1) 経費を節約できる、ということもさることながら、2) 一旦自分でやってみることで、本当にアウトソースが必要となった時に要件がクリアになる、ということが大きかったと。例えば、彼はオーダーを取るためのサイトを作成するときに、PHPというprogramming言語を2週間で勉強してなんとか作り上げたとのこと。この経験があることで、Websiteアウトソーシングする際に「何がいくらで必要」というのが非常にクリアに理解できていたと。

(4) Invest in incorporating & website domain (会社設立とドメインには金をかけろ)
一方で、取り返しのつかないところには絶対にお金をかけろと。彼の失敗談として、websiteドメイン「eatclub.com」を創業当初に取得しておけばよかったと後悔していました。というのは、会社名が有名になってしまうとドメインの料金が急激に高くなってしまうので、お金がない時期でもドメインには投資しておけばよかったと。同じく、法人設立については失敗は絶対に犯せないため、弁護士や事務処理などについてはお金をかけるべきと。

(5) Design the business model that generate cash quickly (すぐに金を生む仕組み作り)
これもBootstrappingでは絶対に必要なことですが小さくてもキャッシュが生まれる仕組みを創業当初から作っておくこと。Eatclubの場合は、お客様に「ポイントを一括購入」(例えば100ポイント100ドルなど)をしてもらいそれをランチに使ってもらう方式を採用。一方、レストランには納入の1週間後へ代金支払い。つまり、客からもレストランからも前借りをして資金を回すことにより、かなりキャッシュフローが助かったとのこと。

(6) Don't take no as an answer (ノーと言われても引き下がるな)
このビジネスの肝は、レストランからDeep Discountを引き出すこと。Rodrigo氏の一番すごいところは、レストランに何回断られても粘り強く説得し、サプライネットワークを作り上げたところ。特に彼は、自分自身がMexicoの移民であることも踏まえて、移民のRestauranteオーナーと個人レベルでの関係構築しそこから契約をもぎ取っていった。特にBootstrapping当初では経済的なメリットをパートナーに与えるのは難しいので、Personalサイドでいかに信用してもらうかが大事だと。

BerkeleyのMBA生は口を開けば「起業」「起業」といっていますが、90%以上のスタートアップが数年で消えて無くなる中で、成功する経営者は「当たり前のことを着実にやる」というところがやはり重要なのかなと思いました。
(圧倒的なコンテンツや技術を持っていて、資金が集まる会社は別ですが・・・。)


Linkedinなども回ったのですが、長くなったのでまた別の機会に。

MBA受験の振り返り

ブログ再開後の一発目ということで、やはりMBA受験のまとめを書いておきたいと思います。

合格以来、いろいろな人に何度も聞かれて自分のMBA受験がどういうものだったかは書き貯めていたのですが、
せっかくなのでこれを機に公開したいと思います。

というのは、自分が受験をするときに一番苦労したのは情報集めでした。
周りにはMBAホルダーも受験者もいない中で、私費でMBA受験するのは情報戦という観点でかなりきついです。
そんな中、色々な人が受験記をネットで公開してくれていたのは本当に助かりました。ですので、少しでもこれが
誰かの役に立てばなと思います。(かなり自己流で乗り切ったので参考になるかどうかは微妙ですが。)

<総括>

【進学先】UC Berkeley Haas School of Business
【他の合格校/WL/辞退】なし
【不合格校】Harvard / Stanford / MIT (インタビュー無し)
【職歴】自動車メーカー 8年(海外営業企画/マーケティング/オペレーション)
【私費/派遣】私費
TOEFL】107 (R 29 L 28 S 23 W 27)
【GMAT】710 (V 39 M 48 IR 6 AWA 4.5)
【海外経験】大学3年次にアメリカへ交換留学(5ヶ月)、ブラジル駐在(14ヶ月)


<なぜ今MBAか?>
下記のいくつかの要素を総合的に考慮して判断しました:
▪️ 20年/30年後の日本を考えたときに感じる、漠然とした不安と自己投資の必要性 (社会)
▪️ 新興国(中南米)での駐在経験を経て、日本の製造業/サービス業の新興国での進出の遅れを痛感。
  グローバル展開の成熟期を迎えていた前職での経験を、他社/他産業にも生かして、日本企業を
  もっとグローバルにして行きたいと感じた。そして、その為に不足するソフトスキル(大組織のマメージメント/人脈)と
  ハードスキル(ファイナンス/アカウンティング)を補うためにMBAが最適と判断 (キャリア)
▪️ドメスティック企業でのキャリア進展スピードの遅さへの行き詰まり感 (会社)
▪️ 目の前に分かり易くかつ辛いチャレンジが無いと生きている気がしない性分 (性格)

そして何より、ビジネスアイデアを即座に実行に移せるEntrepreneurialなマインドセットとスキルを獲得すべく、
アントレ教育でのトップスクールに絞って受験。



MBA受験は情報戦だと思います。僕の場合は、2011年12月に初めてTOEFLを受けてから2年間かかりましたが、もっと情報集めに時間を割いて効率的にやれば1年でもできたのではないかと思っています。特に、受験校の選択と、合格者のプロファイルの分析などをやっておけば良かったなと後から痛感しました。また、エッセイ以外のほとんどのプロセスを独学でやりましたが、もう少しコストをかけて予備校などを活用しても良かったかなと思います。
 
<受験スケジュール>
2011年12月 TOEFL1回目受験。92点。
2012年5月 TOEFLのライティングの学校に通う(AGOS)。6月に103点獲得し、GMAT受験開始
2012年8月末 GMAT1回目。630点。
2012年9月末 GMAT 2回目。680点。目標未達だったもののカウンセラーに相談したところ、
プライオリティはTOEFLというコメントを受け、GMAT一旦終了。TOEFL勉強を再開。
2012年10月末 TOEFL107点獲得。目標未達も時間切れ。TOEFL終了。
2012年12月末 HarvardとColumbiaの2校に、2ndラウンドで出願。
2013年2月 両校から不合格通知受領。面接にも呼ばれず、地球上で一番凹む。
2013年2-4月 心の回復の為と、仕事の忙しさにかまけて、ここから3ヶ月くらいMBAのことを忘れる。
2013年5月 一念発起し、スクールビジット実施。Harvard、MIT、Columbia、StanfordHaasの5校をビジット。
      立ち直ってGMATを再開するやる気を出す。
2013年6月 GMAT三回目で710点獲得。GMAT終了
2013年8月 フルブライト奨学金出願。9月不合格通知受領。
2013年9月 Harvard 1stで再出願。12月に不合格
2014年1月 MIT、Stanford、Berkeleyの3校に2ndで出願。
2014年3月  Bekeleyから面接招待あり、東京で面接実施。3月中に合格通知受領。
      MITとStanfordは面接無しで不合格。受験終了


一回目の受験で92点と実力不足を実感し、地道に英語の基礎能力の向上を始め、結局、5ヶ月くらい地道な作業をしました。(CNNヒアリング/発音矯正レッスンなど)。振り返って考えると、ここでの時間ロスが一番もったいなかったと思います。TOEFLはあくまで試験と割り切って、試験への慣れとテンプレート対策に注力すれば、もう少し短期間で乗り切れたと思います。以下、各セクションでの対策状況をまとめます。


EconomistやNewsweekのリーディングを地道にやりました

とにかく耳の慣れの為に、家にいる間は常にCNNを流し続けるようにしました。単純ですが、一番効果があったと思います。

ご多分に漏れず苦労しました。家庭教師をつけて発音矯正をやったり色々と工夫しましたが、
最終的にはテンプレートを固めて、23点で安定させるように努めました。

こちらも地道に学習をしていたものの、あまり効果を実感できずAGOSの講座をとりました。
テンプレートでかなりすっきり整理ができ、安定して点数が出るようになりました。(初めから行っておけばよかったと思う。)

教材は、Official Guideを使いました。あとは、自分で各セクションの特徴や過去に間違った問題のまとめを
作成して、それを繰り返し覚えるようにしました。下記に点数推移を載せておきます。



TOEFLと比べて、相性のいい試験だったので、独学でやりました。
まずは、AGOSのGMAT完全攻略という市販の本を読んで、そのあとはひたすらOfficial Guideを解き続けました。
その中で、自分の間違えるパターンを記録していき、間違えやすい部分を潰していきました。
あとは、途中で間を空けてしまったので、思い出すのに苦労しました。一息にやることをお勧めします。




個人的には受験の中で一番苦労しました。特に「自分自身を見つめなおして語る」ということに対して、
苦手意識があり素直にやりたいことや自分自身について表現するというところが難しかった。特に、
STANFORDの名物エッセイ「What matters to you most? Why?」に取り組んでいるときは本当に頭が
おかしくなりそうでした。

内容については細かく書きませんが、一つ言えるとすると、日本人受験生にとってTOP校合格のためには
能力と実績とフィットのあるカウンセラーを選ぶことが何よりも大事だと思います。個人的にはAGOSのカウンセラーを頼りましたが、
人間として本当に信頼の出来るカウンセラーでかつプロとしても完璧で、彼女が居なければ合格はなかっただろうなと素直に思います。

ネット上では、「あのひとはいい、あのひとはダメ」といった評判が飛び交っていますが、
そういった評判は気にせず、一度セッションを持って、カウンセラーとのフィットがあるかどうかを判断するのがいいと思います。



School Visitは個人的には絶対にやるべきだと思います。
ネットの情報だけではわからない本当の学校の雰囲気がクラスビジットやアドミッションとの会話の中で見えてきます。
個人的には、あまり期待をしていなかった学校に非常に魅力を感じたり、逆に凄く行きたいと思っていた学校が
全然魅力的ではなく、結局、出願しなかったり、、、と出願戦略を考える上で一番重要なファクターになりました。
最終的には、アントレ教育で群を抜いているMIT/Berkeley Haasと、総合力が圧倒的なHarvard/Stanfordの計4校へ出願しました。


<インタビュー>
私の場合はインタビュー準備はほとんどせず、自然体で臨みました。
エッセイの作り込みの過程で何度も何度も反芻してきた言葉なので、特別な準備はせずに、今まで考えてきたことを
正直に答えました。逆に、これまで準備していなかったことも正直に「わかりません」と答えました。
結果としてはそれが良かったのではないかと思います。Haasは、Alumni Inteviewを東京のカフェで行いました。

<資金>
受かってもいないことに時間と精神を使うのは不毛だと感じたので、フルブライトに落選した時点で、資金繰りついては一旦忘れることにしました。私費受験者にとって、大変であることは間違いないですが、受かってから考えるべきだと思います。


<最後に>
公開する内容なので、かなり表面的な部分が多いです。もし具体的にご質問等あればコメントをいただければ個別に対応します。
MBA受験/留学はものすごい労力と機会コストがかかります。周りに相談してもネガティブだったり理解されなかったりすることもあります。ただ悩むようであればまずはトライしてみてはと思います。受験は孤独だと思いますが、自分もまとめサイトやいろいろな方のブログなどに励まされて頑張れました。ほんの少しでも今後の受験生の参考になればと思います。

ブログ再開

3年ほどブログをほったらかしにしていましたが、MBA留学を機に再開しようと思います。
といいつつ、既にバークレーに移住してから約3ヶ月が過ぎました。あまり気合を入れて書くことはしないですが、
受験記やバークレーでの学びを中心に少しずつ書いていこうと思います。